よくあるご質問

通常、完全に正常な歯並びと噛み合わせの人はほとんど稀で、多かれ少なかれ悪いところがあるようです。日常生活において支障をきたしていると考えられる場合、治療の対象となりますので、一度、ご相談いただければと思います。

また、口元が出ているなど、歯並びが原因で見た目も問題になることがあります。簡単な歯並びや噛み合わせのチェックには、以下のようなことが挙げられています。

1. 歯が重なって生えていたり、歯に隙間がある
2. 上下の前歯の中心が大きくずれている
3. 下の前歯が上の前歯より前にある
4. 上の歯がすべて下の歯を覆っている
5. 唇が出ていたり、引っ込んでいる
6. 前歯がひどく伸びだしていることがある

悪い歯並びや噛み合わせがあると、次のような問題が起こる可能性があります。

1. あごの正常な成長・発育が阻害される。
2. ますます歯並びや咬み合わせが悪くなる。
3. 硬い食物を食べることが困難になる。
4. 虫歯や歯周病になりやすく、歯の寿命が短くなる。
5. 口元の見た目が悪い。

矯正歯科治療は成長・発育をコントロールするうえで、小学生から中学生に治療開始することが多いです。また、成人の方が矯正治療を行うことも増えてきています。近年では中・高年の方々の治療も増え、インプラントをするためのスペースを作ったり、被せ物をよりよい状態で入れるために矯正治療も行うことがあります。しかし、歯周病、むし歯などの病気がコントロールされており、お口の中の環境が整っていなければなりません。

子供の時の矯正治療には「成長・発育」という重要な要素があります。

悪い歯並びの状況によってはあごの成長・発育を阻害してしまうことがあります。

あごの成長・発育にとって不利な環境を改善する。つまり骨格的によりよい状態へ誘導することが子供の時の矯正治療の最大の目的です。

具体的にはあごの成長を促したり、抑制したりすることで上下のあごのバランス（左右・前後・上下）を整え、スムーズな永久歯への交換を促します。

矯正歯科治療を行うには精密検査をし、事前に治療計画を立てます。通常は以下のような流れになります。

1. 口の中の検査
2. レントゲン写真（頭部X線規格写真、CT）
3. 顔と口の写真
4. 歯の型取り

矯正歯科治療は、歯を動かすことによって歯並びを整え、噛み合わせを改善することで、口の中の状態をより健康に保ちQOL（生活の質）を高めます。しかし、治療に際してデメリットもあります。例えば、

1. 少しずつ歯を動かすために、一般的な歯の治療と異なり長期間の治療となる。
2. 基本的に保険が適用されず、自費すなわち患者さんの全額負担となるため、高額になることがある。
3. 装置を装着するため痛みや圧迫感があり、ストレスとなる場合がある。
4. 歯並び、噛み合わせを改善するためやむを得ず、健康な歯を抜くことがある。

といったことがあげられますが、個々の状態によって差があります。

矯正の装置が入ると、確かに歯磨きをすることが難しくなります。従って、私たちスタッフとともに矯正用の歯ブラシや円錐形の歯間ブラシを併用しながら歯磨き指導を行い、複雑な装置を入れても上手に歯磨きできるように練習を行います。

万が一、虫歯が出来てしまった場合には必要に応じて装置を外して一般歯科にて治療を行っていただきます。

矯正治療では、歯に持続的に弱い力をかけて歯を移動させていきます。

そのため、たいていの方が装置を装着して１～３日くらいで痛みが出始め、噛むと痛みを感じたり歯が浮いたような感覚がします。しかしその状態が続くわけではなく、たいていは１週間程で治まっていきます。ただ、痛みに関して個人差があるようです。